会社が崩れた日、
正直、ホッとした。
普通はそう思わないのかもしれないけど、
あのときはそう思ってしまった。
これでこの会社から解放されるんだと思った。
その後の事なんて考えられなかったけど、
1カ月くらいして、今の会社の社長に声をかけてもらった。
気づけば、社内SEとして働くことになっていた。
最初は、新卒でプログラマとして入った。
家から近いって理由だけで会社を選んだ自分を今は恨みたい笑
そして気が付くと営業をやっていて、
いつの間にか、自分以外に社員はいなくなった
営業のやり方なんて誰も教えてくれない。でもノルマはつきまとう
システムを売ったって社内にいるのは1日中座って何もしない社長夫婦と
パートのプログラマさんで納品からアフターメンテまで全部自分がやる
3時でパートさんは終了
その後の開発はもちろん一人。
営業も、メンテも、開発もぜーーんぶ!
土日なんてあったのか正直覚えてない。
たまたま作ったシステムがその業種では使えるってなって
県外のお客にも手を出す社長
でも結局自分がすべてやるんでしょ?
誰も助けてくれない。
正直、どうすればいいか分からなかった。
そんな状況だった。
そんな会社が持つわけがない
営業も開発も納品も
何もかも一人でやっていたから。
毎月のように資金ショートしてた。
銀行から借り入れても
数カ月後には底をつく資金
「なんで営業できないんだ!」って
詰められる毎日だった。
出来るわけないよ。
毎日お客さんから電話があって
改修にメンテに走ってるんだからさ
それに売っても売っても
毎月の支払いに消えていく
何のために売ってるのかさえ分からない
精神的にも肉体的にも限界だったと思う
そんな時だった
社長からの呼び出し
「また怒られるんだろな」
そんなことを考えていた
社長も70を超えていて
事業継承を考えていたようだ
自分にこの会社を継いで欲しいという話だった
うん、継ぐわけないよね。
毎月の支払いに追われて
人も入れてもらえない
一人で抱えられる借入額でもない
無理に決まってる…そう思ってた
「すみません。これ以上は無理です」
そう伝えた
社長は少し沈黙したあとに、
「そうか……今まで苦労かけてすまなかった
〇月で会社を辞める手続きをしようと思う」
正直、ホッとした
もうお金に追われないで良いんだ
一人で全部抱えないで良いんだって
お客様にも会社がなくなることを説明したり
今後の話をしたりしてあっという間に月日は流れ
そして、会社は35年の歴史に幕を閉じた
自分の今後をどうしようとか考えていたが、
お客様の半数くらいが
「フリーでもいいからこれからも●●君にお願いしたい」
そう言ってくれた。
そのとき、会社の事よりもお客様のことを
考えて仕事をしてきたことが間違ってなかったんだと思えた。
少しだけ報われた気がした
少なくとも、あの時間は無駄じゃなかったと思う。

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